形而上の<日常>と<非日常>
〜夕暮
いやだいやだ と
非日常が 牙のように 抜かれていく日々
足早に 日常が戻ってくる 夕暮
さっきまでの 快感の余韻 が
いやだ いやだ と
駄々を こねる
新聞の 天気図に
台風二つ
じっとりと 湿度に 搦めとられて
汗 流れる
筋に なって 流れて
一粒二粒 汗のように
からだから
流れ出ていく 非日常
夕暮が近い
足早に戻り来る日常
いやだ いやだ の声も 遠のいて
弔いの鐘が 鳴る
没個性 没自我 没入 没頭
日常が 身の内から のっぺりと 顔を出す
白い顔
はりついた笑顔が
忘れ去った かもしれない
置き去りにした 感覚を
手持ち無沙汰に
思い出して いる のだ
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