オーディンの森
金太郎・雷神・トール 〜 雷神の輪郭・斧あるいは鉞
金太郎とトール、雷神つながりで相似点を発見した(と本人は思っている(^^;;)ところで、とりあえず未知なる雷神について調べてみることにします。や、雷神について詳しい方にとっては常識のようなことでも、とにかく私は何にも知らないんですから(自慢になるか;;)
今回もまずは手持ちの『神話伝説事典』で、雷神、を引いてみることに。
古代の雷神は、賀茂別雷神(かもわけいかずちのかみ)や大物主神(おおものぬしのかみ)、あるいは道場法師譚などに見られるように蛇体であり、また、少童でもあると考えられた。男神であって、これを生み出す母神を伴ない、またこれに妻として仕える巫女を伴なっていたらしい。
おおおっ、少童姿で母神を伴う姿とは、山姥とセットで登場した金太郎はまさにどんぴしゃりなんじゃないでしょうか。
時代が下るにつれ、御霊信仰が発生し、雷も御霊の活動と見られるようになったといいます。その移行過程でもさまざまな雷神信仰が見られるようになりますが、やがて北野天満宮の出現によって、雷神信仰は天神信仰に集約されることとなった、と事典は語ります。そして、
しかし、こうした後世の信仰以外に、古い水の神としての雷神信仰は、なお農民の間に多少残っている。雷電は一概に有害凶悪な存在として見なされていたということはできない。これが穀物に対して豊穣を与えるという信仰は、雷光のことを稲妻、あるいは稲つるびと呼んでいる事実でも察せられる。
つまり、なに?雷っていうのは水の神とイコールってこと?…はい、知りませんってば(^^;;豊饒を与えるというのは割と知られている話かもしれないですけど…
天神が竜蛇紫電の形をもって下界に天降り、稲穂をはらませると信じたものらしい。賀茂縁起の丹塗矢(にぬりのや)の故事や、その祭などはそうした素朴な形からの、発展・高度化であるかも知れない。
丹塗矢の丹で、赤、という連想はちょっとアクロバティックかしら…
で、ついでに丹を『広辞苑』で調べてみる。丹は土・地を表す「な」の転、とある。「な」?知らんがな。転じて、赤色の土、あかつち、さらに転じて、赤土で染めたような赤色を指すようになったらしい…(。。)…土…つち…槌?わあ、思いっきり無理があるっ(_ _;;
古語辞典が欲しいなあ〜どっかにあるはずなんだけどなあ…この本棚のどっかにあるんだけどなあ〜;;
閑話休題。
関東では稲田に落雷すると、ただちにその区域に青竹を立て注連(しめ)を張っておいた。その竹さえあれば雷獣が再び昇天することができるという。雷を一にカンダチというのも、神の至現をあらわす語である。
要するに、豊饒をもたらす存在として祀られていた雷は、やがて農耕文化から脱却し、貴族社会になるに従い、鎮め祀る存在と変化していくということのようです。
雷神を鎮めるための、雷公祭・雷神祭・雷除祭(かみなりよけのまつり)などは、古来各地で行なわれた。『延喜式』四時祭や臨時祭にも、霹靂神祭(はたたがみのまつり)があり、その荒びを鎮める祭であった。別雷の祭である上賀茂神社の賀茂祭でも、そうしたい意味がかつてあったと思われ、その祭に用いる葵は、雷と地震の厄除けになるという。
ここいらでちょこっとトールの祀られ方を連想してしまったというのもアクロバティックなのかもしれませんが、貴族階級に崇拝されたといわれるオーディンに対して、農耕民に絶大な人気があったトール、という妄想は我ながら捨てがたい気がしますが、さて。
要するに雷は農耕民にとっては有難い神様であり、貴族階級にとっては怖ろしい荒ぶる御霊であり、鎮めるべき存在だったといえるのかもしれません。
さて、話は元に戻ります。
雷神は近世になって太鼓をもった鬼の姿で表現されるが、これは中国の連鼓をもった雷公の姿の影響であろう。蛇以外の形としては、雷魚(推古紀、筑後地鑑など)、雷獣(甲子夜話・玄同放言など)、雷鳥(日本紀略・
玄同放言など)などが信ぜられた。雷獣や雷鳥の信仰は、シナにも古来行なわれている。前回連想した太鼓叩いている子鬼の姿は中国伝来のものだったんですねえ〜やあ、知らなかったや〜(・0・)雷様に太鼓持たせようという発想はあのゴロゴロゴロという大音響を考えれば、今でも納得がいきます。
さて、『神話伝説事典』から得られることは以上です。
う〜ん、鉞が出てきませんでしたねえ。で、本屋でなんと雷神信仰そのものを取り上げた新刊を見ぃぃぃぃっけ!!雷神・龍神信仰について取り上げた分厚い本☆欲しいっ、あ、でも、5000円っ;;高いっ;;買えない(
T△T)で、どうしたかっていうと立ち読みしました(- -;;で、必要なところを必死で覚えて、喫茶に入ってメモ取ったと;;情けなさ過ぎるぞっ;;でも、この先にはこの情けないメモがないと進めなかったりするんですねえ(T▼T)立ち読みした本はさすがに店頭で書名書き写す勇気はなくて、わかりません(_ _;;でっ;;この本によると、ミノス文明では金・銀二つの戦斧を祀る台があったとか。中国では武によって国が治められ、鉞は王の象徴だったとか。それで王の着物の文様として鉞が使われたりしたんだそうな、へーっ、知らなかったや☆それに、白川静氏他の説によると王の本義は斧であるそうな。
権力、王、国、支配イコール斧…これは思っていたよりも広義なものが含まれるみたいで…どうやら斧のテリトリーは雷関係に留まらないようだぞ、ということにようやく気づいたのでした。かつては絶大な力の象徴だったようなのですね、斧は…(- -;;今、思ったぞ…斧と鉞、どう違うんだ?ええいっ、ちっとも先に進まんじゃないか;;
おの【斧】まさかりの小さいもので、木を伐りまたは割るのに用いる道具。楔(くさび)形 の堅牢な鉄の刃に堅い木の柄をつけたもの。よき。
まさかり【鉞】一、斧(おの)に似た大形の道具。おもに木を伐るのに用い、また、古代には兵器・刑具にも用いた。二、紋所の名。鉞(一、)にかたどったもの。三、歌舞伎の鬘(かつら)で、髷(まげ)を鉞形にしたもの。
以上、いつもの『広辞苑』からでした☆へえ〜、小さいのが斧で、大きいのが鉞なんだ…(・0・)納得。
で、この立ち読みした本の中に、北欧でも雷神は斧を持っている、と書いてあって、やっぱりトールのミョルニルのハンマーは斧の仲間として認知されているのだろうか、と(・_・??
ミョルニルのハンマーは雷神の斧と同類項で括ってしまっていいのでしょうか…ハンマー、槌…ついでに槌も調べておこうっと。
つち【槌】一、物を打ち叩く工具。頭は金属製または木製の円柱形で、横に柄をさしたもの。ハンマー。二、紋所の名。槌をかたどったもの。
ん?あれ?
つち【犯土・土・椎・槌】陰陽道で、土を犯してはならない日。暦の庚午から丙子までの七日間を大つち、戊寅から甲申までの七日間を小つちという。犯土日(つちび)。
陰陽道まで出てくるとは;;…中国かぶれのうちの姉によると、易では雷は震で、これは木性なのだそうだ…土じゃないみたいなのだが…だんだん混迷していく雷神と斧の関係でございます(- -;;ここいらへんは、全くの門外漢ですので、しばらく保留ということで、ええ(^^;;
閑話休題。
日本では雷神は手にバチを持っているそうなのですが(これも知らなかった;;)、これは斧の変化したものだと、某書は語っています。ん〜立ち読み知識はこれくらいですね(^^;;
ちょっと長くなりました。一旦小休止☆もう少し続きますんで☆まとまりのないまま、今回は終わります(^^;;つづく。ってことで。
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